Review 美術批評

長浜北高美術部 本館1Fギャラリー展示

2014-15秋冬シーズン『 鯉／The Carps 』

隠れた才能を見出すというのは、エキサイティングな体験だ...
それは、砂金採りが川砂の中に金の粒を見つけたときの心境と同じかもしれない...

北高本館の1階廊下突き当たりに展示される美術部の作品。...
定期入れ替え制のこのギャラリー、今月は錦鯉の油彩である。

実にいい絵だ。
構図の取り方、色彩のバランス、いずれもすばらしい。
まるで今にも身をくねらしそうな錦鯉のひと群れ。
視点に揺るぎがなく、写実の技術も高い。
高校生の作品とは思えないほどの堂々とした描きっぷりには舌を巻く他ない。
この絵、水中に優雅に戯（たわむ）れつつ泳ぐ鯉を見るわたしたちは、秘められた才能のきらめきを目の当たりにしているのだ。そう、水の中にきらめく金の粒を見るように！